むりく花ぬ 咲かりょうり

深夜のお婆さん

昨日、遅番で仕事を終え、天下茶屋に付いた時すでに21時を廻っていました。

「はよ、帰って、ご飯!」と足早に自宅近くのコンビニに来た時、
目の前の光景に、ふと「あれ!?」って思いました。
かなりのお歳のお婆さんが眼鏡を掛けた若者に
「この近くに歯医者さんはありませんか?」と尋ねていました。

私の中で黄色の信号が点滅しました。何かがおかしい。
私は近づいて、「どうしたん?」と尋ねると同じ問いかけ。
若者は親切に検索しましょうか?と言っていましたが「任せて」と目配せして。

「奥さん、今日は日曜やし、もう9時過ぎているから
歯医者さんはお終いよ。お家はどこ?」
答えは駅前のマンションとのこと。
送って行きましょうかと言うと「もう夜遅いから結構ですよ」と答えられて
「ありがとう」とすたすた駅方向へ歩いていかれました。

私の頭の中で老人の徘徊という言葉が点滅していました。
やり過ごしたふりをして観察していると、
道路の真ん中でお医者さんの看板を見つけては立ち止まっています。
(うちの近所は廃業したお医者さんもそのままになっています。)
するといきなりお婆さんは道路の反対側にいた女の子に近づき、
何かを聞いています。
もうすでに知らんぷりできなくなっていた私はダッシュで近づき
お婆さんを確保しました。
付け睫毛をばっちりつけたちょっとヤンキー風な女の子も
「お婆ちゃん、はよ帰えらな。もう遅いし、あかんで」と優しい言葉。

お腹の虫が鳴いていましたが、駅前まで送れば交番はあるし、
お婆さんのいうマンションもあるから、何とかなると思い、送って行きました。

色々な事を話しました。
昭和3年生まれの87歳で今は一人暮らし。
亡くなったご主人は診療所のお医者様、息子達もすべて医者、
長男は某有名病院の院長、あれ、二男やったかいな…とこんな調子です。
年寄りに話を合わせるのは自分の母で慣れていますが、
なんか少し認知が入っているような…。

そうしているうちに駅に着き、お婆さんを見送る形で別れました。
すぐに交番の女性警官に事情を離し、一緒にお婆さんを追いかけていきました。
すると、本当に駅前マンションに入ってフロントでカギを操作しています。

「あぁ、あのお婆ちゃんやったら、一日に一回は来はるよ。」
「鍵がどこかにいってあらへん、とかいろんな事言ってきはるなぁ」
「大丈夫よ、奥さん。僕らも気をつけておくから。親切にありがとうね」

一人暮らしと言ってました。
息子はお正月しか来ないって。

ずいぶん立派なマンションに一人?

どこまで本当の事かわかりませんが、
この時間にヘップ履きで財布一つ握って、歯医者さんを探してウロウロしている。
胸が詰まりました。

でも、天下茶屋も捨てたもんじゃない。
オタク風の男の子も、付け睫毛バッチリの女の子もお婆さんに優しかった。
それだけで良いか…と思いなおして、
もう一度来た道を今度こそ帰るぞと引き返しました。








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by murikupana | 2015-04-20 21:51 | 日々のあれこれ
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ふとしたきっかけで八重山の唄に出会い 遥かに続く歌三線の道に精進するというか悪戦苦闘する大阪のおばちゃんの記録
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